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<受賞の言葉> 農業は土を育てて、緑を育てる。緑は新しい空気を作っています。これが農業の一番目の仕事です。豊かな土を通して綺麗な水を作る、これが二番目の仕事。そして三番目は食べ物を作る仕事です。 この三つの仕事をしていながら、農家の人が貧乏をしているのは三番目の「食べ物を作る」仕事の分のお金しかもらっていないからです。空気を作ったり、水を作ったりするのはボランティアです。ボランティアというのは神様の仕事。農家の仕事というのは神様の代わりに仕事をしているのです。だから私の農場は「天心農場」という名前にしました。 わたしはいままで喜ばれる野菜を作りたいと思ってやって参りました。「おいしかったな」という一言が農家にとってどれだけ喜ばしいものか、最高の贈り物なのです。 <選考委員> 小林 亜星 <選考理由> ホワイトアスパラが北川さんとの出会いです。私は紀伊国屋のホワイトアスパラが日本一だと思い食べていました。そのホワイトアスパラを二十年前から卸していたのが、この北川さんだったのです。 京都の朝掘り筍のように、ヨーロッパの人にとってはその時期だけのホワイトアスパラが人生最高の楽しみなのです。一年の生きる喜びなのです。こういうおいしいアスパラを日本でも楽しめるようになりたい。そのような想いから選考いたしました。
<受賞の言葉> 私供の白樺ジンギスカンは昭和32年の創業です。当時は、農家の方々が行事で集まる度に、羊を自分たちで解体し、羊肉独特の臭みがある事からタレに様々な工夫をし食べていました。ほとんど娯楽と言えるものがなかった時代ですから、羊の鍋を囲み世間話から今後の営農や地域の未来を語る、楽しみの場であったと聞いています。 創業50年に至り、現在の私の心境は簡潔明瞭、単純明快が大事だということです。自分で決めた一つのことを追い続けていくうちに自信めいたものが芽生えます。こだわりです。タレへのこだわりはリンゴです。主な材料となるリンゴは青森産の富士を使い、昔ながらの手作業で加工しています。さらには鍋です。肉を最高の状態で味わって頂くために南部鍋を使用しています。こうして昔ながらの味を今後につなげていきたいと思っています。 これからも忘れられない十勝の味を目指し精進します。更に地域社会のために微力を尽くす覚悟でおります。本日はありがとうございました。 <選考委員> 藤原 作弥 <選考理由> 本職は新聞記者でしたので、調べることが大好きです。今回もジャーナリズム精神を発揮して、北海道の食文化について私なりに調べて歩きました。足で歩いてメモをしました。数件の候補がありましたがその中から取材の結果、「これだ」と思って白羽の矢を立てたのが佐久間さんの「白樺」でした。取材とは何か。何を隠そう「食べる」ことです。食べてみておいしかった、それが選考の経過です。 ジンギスカンというのはチンギスハーンであり、私の憧れの英雄です。モンゴルは衣食住すべて羊で賄います。主食は米でも麦でもなく、羊です。しかし日本のジンギスカン料理というのは日本人が作って、日本人が命名したものです。日本中にジンギスカン料理の店は数多くありますが、味付けこそはその店オリジナルのものです。白樺の味付けの秘訣はタレにあるようです。そしてもうひとつは、玉ねぎ。普通ジンギスカンの野菜というとジャガイモ、ピーマン、ニンジンなどです。佐久間さんのところは南部鉄の鍋の上で、タレのついた肉を焼いて、その後は玉ねぎだけ。玉ねぎは、羊との水分の調和の相性が良く、玉ねぎに味が染み込みます。ジンギスカンとご飯とお味噌汁とおしんこ。食べただけで天国に上るような気持ちになりました。今日は本当におめでとうございました。
■農業生産法人 西神楽夢民村 代表取締役 島 秀久 ■高砂酒造株式会社 <受賞の言葉> 西神楽夢民村 島 秀久 この「風のささやき」は8年前、ただ自分で旨い酒を飲みたいという気持ちで始めました。それまでもそれなりに拘って主食用の米づくりをしていたのですが、酒米づくりは初めての挑戦でした。そのお酒がここまで成長したのはいくつかの要因があると思います。 ひとつには「吟風」のお酒適性がとてもよかったこと。それと日本酒はワインと違い2工程ですので、原料のお米というより杜氏の力、高砂酒造さんの力はやはり凄かったと思います。そしてもうひとつは「風のささやき」という名前をつけてくれた、旭川市の居酒屋独酌三四郎の女将・西岡さん。農・工・商連携の商を担ってくれました。この三者の連携と熱い思いがここまで来たのだと思います。 「風のささやき」は地元の米で地元の高砂酒造さんの蔵で出来た地酒です。そんな「風のささやき」を僕は世の中で一番美味しい酒と思い毎晩飲んでいます。 夢民村は、農家が集まってお客様を相手に直接販売などしていますが、一般農業者から見るとそんな面倒くさいことをやらなくてもと、いわば地域の異端児扱いなのです。でも、今日こうして「小田賞」をいただけるというのは、ぼくらの活動も間違っていないと確信しました。これからもこの賞を励みに、賞に恥じないように頑張っていきたいと思います。 <選考委員> 田勢 康弘 <選考理由> 3月の中旬、雪の中を旭川市西神楽の夢民村を訪問いたしました。雪以外には何も見えないようなところでした。この夢民村では「吟風」という酒造好適米を作っています。その米と大雪の伏流水とそして旭川の酒蔵で自分たちのお酒を造りたいという夢が実現したのが「風のささやき」という名前のお酒です。 高砂酒造の酒蔵で私は、しぼったばかりのお酒をひしゃくにすくって味わいました。ほんとうに上品な果物の味がしました。いくらでも飲めそうに思いました。ひしゃくに3分の1ほど飲んだでしょうか。 しばらくしてくらくらしてきました。私はまったくの下戸で、お酒を飲んだことはないのです。でもおいしいと思いましたし、私は大変間違った人生を過ごしてきたのではないかと思ったほどでした。 風のささやき、という言葉の美しさ。ラベルに貼られた字のすばらしさ。空になった酒瓶にななかまどの真っ赤な実を飾ったら、さぞ素敵なことでしょう。オオバナノエンレイソウの咲く季節に、ふたたび北の大地を訪れることが出来た幸せをかみ締めております。夢民村のみなさま、高砂酒造のみなさま、おめでとうございました。
<受賞の言葉> 美瑛町・藤野にある4haの畑で、馬鈴薯や米、そして100種類以上の野菜を生産しています。美瑛を訪れる観光客の方、そしてそこで宿を営む方たちのために、美瑛ならではの「おいしい野菜」を作っていきたいと考え、約10年前、本格的に野菜作りに取り組み始めました。 美瑛町農協が設立した農産物直売所「美瑛選果」に、中道博シェフが運営するレストラン・アスペルジュがあります。そこの野菜作りをお手伝いすることになり、私たちの野菜作りの考え方は大きく変わりました。中道シェフにはフランス視察でも様々な所を案内していただき、そこで生産者が自ら店頭に立ち、消費者に商品を説明しながら販売する、マルシェに興味を持ちました。帰国後、美瑛町農協を中心に美瑛版マルシェを開催することとなり、そこでの消費者との交流が野菜作りのヒントとなり、活力となっております。 小規模だからこそできる、私たちのような農業の有り方が北海道農業の一つになりうると、今回の受賞を通じて確信いたしました。この取り組みを後世に引き継いでいけるように努力していきたい思います。 <選考委員> 津田 廣喜 <選考理由> レストラン・アスペルジュには「美瑛の畑20種類の野菜の盛り合わせ」というメニューがあり、私も食べてみました。ここでの野菜は全て高橋さんの畑から供給されたもので、大変美味しいものでした。 高橋さんの畑にお邪魔して驚きました。毎日夜になると、翌日使う食材の種類と量が記載された何十枚もの注文書がFAXで届きます。翌朝はそれを基に、日が昇る前から畑に出て一つ一つの食材を揃え、レストランの方が来るのを待っているわけです。最盛期になると野菜を取りに来る車が列をなし「高橋さんのところは法事でもあるのか」と言われるくらい車が並ぶそうです。 畑で採りたてを頂くとトマトの美味しさなどは、他所では味わえないものでありました。私も北海道の田舎で育ち、子どもの頃からジャガイモはたくさん食べていますが、あんなに美味しいジャガイモも食べたことはありませんでした。高校生以来、実に40年振りにグスベリを口にできたのも嬉しい出来事でありました。 今後は後継者のことが問題になるだろうと思います。美瑛の町の発展維持のためにも、高橋さんの活動が引き継がれていきますよう、応援団として願っております。
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