
北海道の食文化に貢献したと思われる個人・団体を発掘、顕彰する「小田賞」。
第4回目の今年の贈呈式は
2007年5月28日日曜日、六花亭ホールkyu(帯広市)にて開かれました。

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![]() <選考委員 小林 亜星氏> ダイエットの為に野菜食に変えてから野菜が好きになりました。紀伊国屋でホワイトアスパラを買って食べていました。京都の朝掘り筍を食べるように、ヨーロッパの人達も、この時期だけのホワイトアスパラを食べる事を人生最高の楽しみにしているのです。私は紀伊国屋で買うホワイトアスパラが日本一だと思っています。そのホワイトアスパラを二十年前から紀伊国屋に卸していた人が、この北川さんだったのです。 毎年ホワイトアスパラを食べる会というのをやっています。ドイツからものすごく太いホワイトアスパラを空輸してますが並の太さではありません。これが一番旨いと思っていました。それを北川さんと小田さんに「これには負けるだろう。これを食べてから言ってくれ」と食べさせた。シェフに頼んで両方のアスパラを茹でて、一緒の皿に盛って出した。食べましたら皆一様に黙ってしまった。食べてみたら北川さんの方が旨かったんですよ。シェフに悪くて言えなかったんです。太ければいいというものではないと思いました。 北川さんの名刺には「農業は命の産地、土は緑を育て、空気・清水・食物を作る」とあります。まったくこの通りだと思います。農業から全てが始まる。今の日本の行き詰まった問題も全てこの農場がやっている事が解決する、と思いました。ヨーロッパではホワイトアスパラは一年の生きる喜びなのです。こういう美味しいアスパラを皆で楽しめる日本になりたいと思い、北川光夫さんを第4回小田賞に選考します。 |
<第4回小田賞受賞者 天心農場・北川光夫氏> 私は野菜を作る時には、皆さんが子供を育てるのと同じ気持ちで育てています。まずオギャーと産まれたら、お母さんのオッパイです。野菜の赤ちゃんもミルクの肥料が必要です。このミルクの肥料が土の中に十分にあるかどうかです。いまは分析農業の時代ですから、野菜を育てるのに十分なミルクがあるかどうか、分析農業を一生懸命やっています。 赤ちゃんの時代に大事に育てるためのミルクの肥料のことを有機というのが、私の考える有機農業です。しかし昨今の消費者がどんな野菜を要求するかといいますと、全生育期間有機栽培。農薬も化学肥料も使わない。私はそんな農業はやっておりません。そんな農業を仮に地球環境でやったとしたら、何億の命を育むことは出来ません。恐らく、生き残れるのは農業をやっている人だけだと思います。「全生育期間を有機栽培でと言いますが、子供を育てる時に、二つのオッパイで二十歳になるまで育てた人がいますか」と、いつも消費者協会で話をします。農業というのはそんなに簡単に出来るものではないのです。 農業は土を育てて、緑を育てる。緑は新しい空気を作っています。これが農業の一番目の仕事です。豊かな土を通して綺麗な水を作る、これが二番目の仕事。そして三番目は食べ物を作る仕事です。農業はこの大切な3つの仕事をしていながら、農家の人が貧乏をしているのは三番目の「食べ物を作る」という仕事の分のお金しかもらっていないからです。空気を作ったり、水を作ったりするのはボランティアです。ボランティアというのは神様の仕事。農家の仕事というのは、みんな神様の代わりに仕事をしているのです。だから私の農場は天心農場という名前にしました。 神様の気持ちがなければ、誰もあんなに大変な仕事はできません。しかし「美味しかったなー」というひと言が農家にとって最高の贈り物なのです。わたしはいままで喜ばれる野菜を作りたいと思ってやって参りました。私には身に余るような賞を頂き本当に有難うございました。 |
![]() <小田豊四郎記念基金理事長 小田豊> 今、食べものに関しても、新しいもの新しいものを追いかけています。情報化社会と言いますか、情報に右往左往しています。例えば「体に良い」というキャッチフレーズをつけた食べものが色々紹介されています。先立って納豆が話題になりました。以前はココアがありました。少し前には、スローフードという言葉が氾濫しましたが、今は全く使われません。 食べものがファッションになって良いのだろうかと、常日頃思っておりました。私どもがこのNPOを作った時に「食文化」と言いました。「文化」というのは五十年、百年、もっと長い時間で物事を考えなければならないものだと思います。 「新しいとは古くならないこと」この言葉を思い出すとき、真っ先に思い浮かぶのが豚丼のぱんちょうさんです。私ども帯広の街の誇りです。雨が降っても風が吹いてもお客様が列をなし、一様に満足気に帰っていく様子を見ていると「これだな」と思います。残念ながら一月におばあちゃんのうめさんが他界されました。この機会を失しては、ぱんちょうさんを顕彰する機会がないと思い相成りました。特別賞を心からお祝いを申し上げたいと思います。 |